第三回FANA団体会議

第三回FANA団体会議

第三回FANA団体会議

2016年4月24日

総括
在亜日系団体連合会(FANA)主催第三回団体会議は2016年4月24日(日曜日)に在亜沖縄連合会会館で、次の4ブロック分けで行われた。
a) 会議の開会
b) FANAおよび加盟団体の状況と問題点
c) JICA事業、高齢者関連、青少年活動に関するラウンドテーブル
d) 在亜日本語教育連合会(教連)加盟団体会議 (主催:在亜日本語教育連合会)
会議は午前8時45分に開催し、午後7時半に終了。
まず始めに、FANA会長の米須清文氏の開会の挨拶に続いて、在亜日本大使館佐野豪俊公使および独立行政法人国際協力機構(JICA)アルゼンチン事務所次長山本 フアン カルロス氏のご挨拶があった。在亜日本人社会の団体や関係機関から50名以上の参加者が一日を通して各団体の近況報告、活動状況、抱える課題、展望など、様々な立場から発表されました。今回の第三回FANA団体会議には以下の団体が参加された。

 

– 日本政府関連機関(オブザーバー)。
在亜日本国大使館、独立行政法人国際協力機構(JICA)アルゼンチン事務所

– 在亜アルゼンチン日系社会の団体。次の18団体が参加。
ブルサコ日本人会、コルドバ日本人会、コリエンテス日本人会、エスコバール日本人会、フロレンシオ・バレーラ日本人会、在亜日本人会(AJA)、メルロ日本人クラブ、サンタ・フエ日本人会、サルミエント日本人会、西部日本人会、サルタ日本人会兼日系センター、在亜愛知県人会、日系学士会、アルゼンチン日系センター、在亜沖縄県人会(沖連)、鹿児島県人会、在亜日本語教育連合会(教連)、ブエノス・アイレス日亜学院、在亜日系団体連合会(FANA)。
なお、エスコバール日本人会、ガルアぺ(ミシオネス州)日本人会、ラプラタ日本人会、アルゼンチン拓殖組合の四団体は不参加となったが資料を準備提出。

– ラウンドテーブル。
JICA、DALE、亜日学生センター(CeUAN)、ラプラタ日系学生協会(ANULP)、琉琉球國祭り太鼓が発表。

– 在亜日本語教育連合会(教連)加盟団体会議。
教連、ブエノス・アイレス日亜学院、ブルサコ日本語学園、エスコバール日本語学園、アカスーソ日本語学校、サルミエント日本語学校、西部日本語学校、サルタ日本語学園、コリエンテス日本語学園、サンタ・フエ日本語学校。ポサーダス日本語学校は欠席なるも資料を提出。

各団体の活動が営まれる環境は様々であり、会員数、拠点(都市や郊外)や施設の所在地域などの多様性から、今回取り上げられたテーマを一つの結論にまとめることは困難ですが、話し合われた内容の要約として次の点が挙げられます。
• 在亜日本国大使館の佐野公使より、本年度は最初の日本人移民の到着より130年、
また、在亜日本人会の創立を祝う年であることを強調すると同時に、安倍晋三総理のブラジル訪問以後打ち出した日本人移民とその子孫に関する政策に関する説明があった。
• 2013年にFANA実施のアルゼンチン在住の2,349名(190家族)を対象にした「在アルゼンチン日本人移民コミュニティー(日本人とその子孫)の人口調査」によると、大よその構成は一世が7.4%、二世33.8%、三世38.1%、四世18.1%、五世2.3%、六世0.2%で、三世の人口が二世を上回る。「日系社会の活動への参加に関する」アンケートでの質問については、回答は26.2%頻繁に参加、 27.2%時々、 37.6%全く無い。
なお、2010年に国家統計局実施の全国人口調査によると、日本国籍を持つ外国人人口は4,036名で内46.2%が65歳以上であり、一世の高齢化が進んでいる。
• 最初の日本人団体創立より100年が経過しており(1911年に鹿児島県人会が創立、1916年に在亜日本人会が創立)、2012年3月25日の第一回FANA団体会議で確認のとおり、一世から二世、三世、四世への世代交代、また日系・非日系間の婚姻により日本人コミュニティーの構成が大きく変化してきている。かつて日本人移民にとって、コミュニティー内の親睦、子供達への日本語教育、お互いの助け合いの場であった県人会や日本人会は、世代交代と共に、子孫への文化的アイデンティティーの継承と共に、一般社会に向けた日本文化普及の場へと遷移しつつある。一方、ブルサコ日本人会、フロレンシオ・バレーラ日本人会、ラプラタ日本人会、沖縄県人連合会等、従来の日本人会、県人会のあり方を変えず引き続き活発に活動を継続している団体もある。
• 在亜アルゼンチン日系社会の現状を考慮しつつ、各団体の役員幹部は活動の見直しや経済面での再編、又は既存設備の整理整備に特化しているのが見受けられる。一方、
フロレンシオ・バレーラ日本人会の場合は大規模な体育館建設プロジェクトを実施中。取り巻く環境変化の中、日本語学校、高齢者へのサービス、又はお祭り等への強化が各団体の重要活動である。
• 日系社会への日本政府の支援については、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通して下記の支援事業を実施。
– 人材育成(次世代の日系人育成、またはリーダー育成を目標に、日本での短期・長期グループ研修、個人研修)
– 日系社会を対象にしたボランティア派遣事業。1986年にアルゼンチンへのボランティア派遣開始以来、延べ81名のシニアボランテイアと161名の青年ボランテイアを派遣し、日本語教育、高齢者を対象とした福祉、日本舞踊、スポーツ等で協力を実施。
– 助成金の提供。
– 企業との連携
本邦研修については、日本語教師の育成、中・高・大学生対象の研修、技術研修、マスターコースや交換留学、個人企業家促進プログラーム等が提供されている。本邦研修については、応募者がJICA提示枠を下回るケースがあり、空白になるケースが多々あり、各団体を通じて日系社会へのより良い広報・案内を行う必要があり。
 社会福祉に関しては、多くの団体では高齢者を対象にした、お楽しみ会、お茶会、又は見学・ツアーなどが企画されている。今回の2016年度団体会議の事前準備として実施のアンケートによると、次の13団体が定期的に(毎月)会合を行っている。FANAお楽しみ会(毎月1回)、AUN(1)、ゆいまる(4)、沖連老人クラブ(1)、フロレンシオ・バレーラ日本人会(1)、サルミエントお楽しみ会(1)、ブルサコ日本人会(1)、ラプラタ日本人会(4)、東部ラプラタ日本人会・婦人部(1)、メルロ日本人会・婦人部(1)、西部日本人会(1)、コロニアラプラタ・婦人部(1)、コルドバ日本人会(1)。上記13団体の会員数は総計2,521名(913世帯)で、内509名が65歳以上の高齢者。
FANA ボランティアの派遣趣旨は、「住み慣れた地域で、いつまでも健康で暮らしていける地域の連携づくりを目的とし情報の提供を行う。」
 インターネット、又はソーシャルコミュニケーションネットワークの使用は、若者達の繫がりに大きな変容をもたらしている。過去の世代のやり方で青年部を形成することは、益々困難になっている。この大きな移動性(グローバル化)の時代により、若者達は地理的な境界や団体の枠を飛び越えて、あらゆる活動や情報交換によってお互いの相互関係を行っている。また、20年前の予想を超えこれまでには無かった様な国際的なレベルの交流も若者達自身の主催で頻繁に行われている。
 国際交流‐Daleについてはアルゼンチン日系センター主催で毎年ブエノス・アイレスにて行われているが、今年は59名(アルゼンチンより51名、ブラジル3名、メキシコ3名、パラグアイ1名、ペルー1名)の青年達の参加と21名の現地スタッフが参加。
2008年に開始以来9回開催されたが、総数443名(アルゼンチン317名、ボリビア5名、ブラジル19名、チリー10名、コロンビア4名、日本4名、メキシコ18名、パラグアイ24名、ペルー35名、ウルグアイ6名、ベネズエラ1)の参加者と162名の現地スタッフが介入。Daleは18歳以上の若者が対象で目的は将来に向けたリーダー育成、国際文化の交流、情報交換と学習、ネットワークの構築。
2017年2月に第10回のDaleが開催予定。
 琉球國祭り太鼓は、エイサー太鼓を通じた若者達の団結を目指す団体として1982年に沖縄で設立。本プロジェクトは沖縄県を超えて、全日本列島または時間の経過によってアジア、北米、南米諸国に普及し、現在では総数51支部が活動を行っている。アルゼンチンでは1998年に活動開始し、現在アルゼンチンではブエノス・アイレス、フロレンシオ・バレーラ、コルドバの3支部で120名のメンバーで構成。この18ヵ年間に亙り沖縄との連携や南米諸国の交流を活発に行っている。
2010年(5月) 建国200周年記念パレード ブラジルより15名参加
2011年(10月) 第五回世界のウチナンチュ大会(沖縄開催) アルゼンチンより15名が参加。
2013年(10月) 「シンカヌチャー/琉球國祭り太鼓創立
15周年」。メトロポリタン劇場。 ブラジルより18、ボリビアより1 名
参加。
2013年(2月) 琉球國祭り太鼓沖縄本部創立30周年祝い アルゼンチンより25名が参加。
2014年(1月) 南米15周年記念共同公演(イン ブラジル) アルゼンチンより70が参加。
2015年 ペルーツアー アルゼンチンより15が参加。
2015年(10月) 「島の鼓動」。メトロポリタン劇場。 ペルー、ブラジル各国より2名参加。
2016年(1月) ボリビアツアー アルゼンチンより16名参加。
2019年又は2018年にブエノス・アイレスにて琉球国祭り太鼓アルゼンチン、ブラジル両支部の創立20周年が行われ、ブラジル、ペルー、ボリビア、メキシコ、米国、沖縄より総数400名の青年達が来亜予定。
• 大学生を対象とした宿泊施設については、ラプラタ市及びブエノス・アイレス首都圏にて、ANULP(ラ・プラタ日本人大学生協会)およびCeUAN(亜日大学生センター)の学生がそれぞれ宿泊施設の経営を行っている。両施設は在亜日本語教育連合会所有であり、ブエノス・アイレス近郊及び郊外、地方または国外(特に日本より)の学生が宿泊し、ラプラタ市又はブエノス・アイレス首都圏や郊外の大学へ通学する学生が利用。両施設とも日本政府やJICAの協力・支援の下に建設され、宿泊施設や勉学の場以外に若者達の交流の場として存在。両学生寮宿泊施設の使用状況に関する状況は下記のとおり。
ANULP CeUAN
設立: 1973年 1994年
設立以来の宿泊: 390 名
(GBA 215,地方94, 国外81)
2016年現在の宿泊について: 計40名
・ブエノス・アイレスより半径60キロ以内。 19名
・地方より。 17名
・国外より。 4名 (日本3名, ブラジル1名)
• 我々の母国語日本語教育、日本語学校については、全世代までは日本語授業のみであったが、現在の状況は世代の交代に伴い日本人移民子孫の生徒が大幅に減少している。こういった状況を踏まえ、幾つかの日系機関・団体では新たな取り組みとして、日本人子孫のアイデンティティーの継承に向けて、次世代の子供達への日本文化(エイサー、日本舞踊や各種行事)の紹介や日本語教育(日本語学校)を実施中。
2010~15年の間、教連加盟の日系日本語学校に通学の生徒数は以下のとおり。
2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年
日本人子孫合計: 440 419 455 449 491 516
・日本人移民子孫12歳以下: 332 265 288 305 300 302
・日本人移民子孫 12 歳以上: 108 154 167 144 191 224
非日系合計: 824 714 803 737 645 701
なお、1989年より国際交流基金が教連を通じて1989年より毎年実施の日本語能力試験の受験者に関する最近の状況は次のとおり。
試験は5レベル 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年
受験申込者数合計: 60 + 481 605 644 664 662 661
2015年より能力試験を7月(60名)および12月(481名)に実施。
 本団体会議で挙がった課題については他にも、生徒の日本語学力の著しい低下と、日本語教師として充分に訓練された教師の数が不足している点がある。これは深刻な問題であり、各日本人会・日本語学校で慎重に取り上げる必要があり、教連が実施する日本語教師養成講座に参加する態勢を築くこと、各家庭における日本語習得の重要性への意識の向上、更に教師の低報酬の問題、そしてJICA派遣ボランティアの協力・支援を最大限に組み入れる為の学校側の長期的視野での十分な計画を立てていくことなどが必要となっている。
 日本語教師の養成については、在亜日本語教育連合会および付属アルゼンチン日本語教育センターは「第6回教師養成講座(期間2016年7月~2018年6月)」の募集を実施中。本講座は近年の日本語教育の変貌(バイリングアル教育、外国語教育、コンピューター教育)に対応出来る新しい時代に沿った教師養成の為の日本語教師養成講座を2005年より実施。
 日本人移民社会の関係強化の視点から、また様々な分野(スポーツ、芸能団体等)で活動するグループからは、FANA又は対応機関に対し以下の要望・提案が出された。
- FANA加盟団体の年間行事カレンダーを調整・作成する。
- 全国的な展開を目指す為、次回第4回合同会議は地方都市での実施を検討。
- 日本語教育の向上、または教師不足対応の為、日本語教師の育成の強化。
- 日本語、社会福祉や日本舞踊のボランティア以外に日本文化(折り紙、生け花等)、日本料理、スポーツ、武道等のボランテイア派遣の可能性を検討頂きたい。
- 全体合同会議以外に、ある特定の分野(高齢者の社会福祉、スポーツ、年間行事カレンダー調整等)の会議又は地域別会議を実施頂きたい。
- 講座用教材(絵本、DVD、音楽)、会館や教室での日本風のデコレーション機材・楽器(太鼓)等の仕入れ可能性の検討。
- 会員団体が実施予定の共同イベントへの支援。

本団体会議またはラウンドテーブルで述べられた参加者の講評・意見を考慮し、詳細の検討又は分野別の協議が求められる。
 日本語教育関連会議の最後に米須清文教連会長の言葉でアルゼンチンにおける継承日本語教育問題は簡単に解決策を提示出来るものではないが、教連は教連加盟校と共に本問題を模索しながらこれからも継承日本語教育の継続に向けて努力していく意向であるので、これからも各方面からの助言並びに支援・協力をお願いする旨の言葉があった。
また、武道(柔道、空手、合気道、剣道)、食文化(すし等)、折り紙、生け花、青年の中ではアニメ・漫画、日本が今まで行って来た技術協力、日本製の自動車や電気製品の信頼度等で、ジャパンブランドが当国社会では高い評価を受けている関係上、日本語教育、美術や文化、スポーツ、社会活動等を通してアルゼンチン社会で日系団体や日本語学校は今後の伸びが期待できると発言があった。
-以上-


Deje su respuesta